EC事業責任者へのキャリアパス|担当者からマネージャーに上がる方法

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EC事業責任者へのキャリアパス

EC担当者として3〜5年が経つと、ふと思うんですよね。「このまま担当者でいいのか」って。

ぼくも思いました。楽天とAmazonを回して、ページ改善して、メルマガ打って。仕事は回せるようになってきた。でも何か物足りない。給料も大して上がらない。このままあと10年やるのか、と。

この記事は、その「次のステップ」を本気で考えはじめた人に向けて書きます。担当者からマネージャー・事業責任者に上がるために、実際に何が必要だったかを話します。


まず正直に言います。マネージャーになれる人とそうでない人は、スキルより「視点」で決まります

よくある誤解が「スキルを磨けばマネージャーになれる」というやつです。

広告が上手くなる、データ分析ができる、SEOが得意になる。これは全部「担当者として優秀になる話」であって、マネージャーになる話じゃない。

マネージャーに必要なのは、スキルじゃなくて視点の切り替えです。「自分がやる」から「人を通じて動かす」へ。「施策を実行する」から「何をやるか決める」へ。「自分の担当領域」から「事業全体を見る」へ。

この3つのシフトができるかどうか。それだけです。


シフト①「自分がやる」から「人を通じて動かす」へ

担当者として優秀な人ほど、ここで詰まります。

自分でやった方が早い。自分でやった方がクオリティが高い。それは本当のことなんですよ。でも、それをやり続けている限りマネージャーにはなれない。

ぼくが店長時代に学んだのはここです。スタッフが自分から接客に行くようにするにはどうするか。売上を達成するために、自分が接客するんじゃなくて、スタッフが動ける環境を作る。これがマネジメントの本質でした。

EC部門に来てからも同じでした。担当者に施策を任せて、失敗しても一緒に振り返る。最初は「自分でやりたい」という衝動と戦いながら、徐々に「人を通じて動かす」感覚を掴んでいきました。

アパレルや小売で店舗スタッフをマネジメントしてきた人は、このシフトがスムーズにできることが多い。「人を動かした経験」があるかどうかは、EC転職の面接でも必ず聞かれます。


シフト②「施策の実行」から「戦略の設計」へ

担当者は「どうやるか」を考えます。マネージャーは「何をやるか」を決めます。

この違い、地味に大きい。

「楽天の広告をどう最適化するか」は担当者の仕事です。「楽天とAmazonどちらに予算を集中させるか」はマネージャーの仕事です。「auPAYは今期撤退する」という判断もマネージャーの仕事です。

ぼくが実際にやった判断の話をすると、auPAYで何をやっても売れなかった時期に「リソースをここに使い続けるのは無駄だ」と判断して、楽天とAmazonに集中させました。この判断を根拠を持って上司に説明できるか、数字で示せるか。これがマネージャーとして評価されるかどうかの分かれ目です。

担当者のうちから意識的にやっておくべきことは、「なぜこの施策をやるのか」を言語化する癖をつけることです。「上から言われたから」「去年もやったから」ではなく、「この数字を見てこう判断したから」と説明できる状態にしておく。


シフト③「自分の担当領域」から「事業全体」へ

これが一番見落とされがちなシフトです。

EC担当者はフロントの施策に集中しがちです。広告・ページ改善・メルマガ・SNS。これはこれで重要なんですけど、事業全体を見るマネージャーになるには、バックエンドまで理解していないといけない。

商品登録の仕組み、在庫管理の流れ、基幹システムとECの連携、棚卸しの実務、出荷業務の設計。これを「自分の仕事じゃない」と思ってる人は、マネージャーになっても後で詰まります。

実際にぼくが自社ECの改修を担当したとき、バックエンドの設計を疎かにしたプロジェクトが後でどれだけ大変になったか。要件定義で決めたはずのことが崩壊して、収拾をつけるのにどれだけ時間がかかったか。バックエンドを理解しているマネージャーと、していないマネージャーでは、プロジェクトの進め方が根本的に違います。


今の会社でマネージャーに近づくための具体的な動き

「転職しないとマネージャーになれない」と思っている人も多いですが、今の会社でできることはあります。むしろ、転職することで役職がついてない人に役職がつくことは稀です。基本的にはポジションそのままか、または下がるか。

会社の規模を小さくすることで、ポジションを上げることもできるけど、その場合はかなりのハードワークが求められている特殊な場合ですね。

そのため、まずは自分ができる領域を増やして視座を高くし、今の会社でポジションを上げ、1円でも年収を上げておくことが大切で。

予算の裁量を少しずつ取りに行く

「広告予算の決定権を持たせてほしい」と交渉する。最初は月5万円でもいい。「自分で決めて、自分で投資して、自分で結果に責任を持つ」経験を積む。これがマネージャーとしての経験値になります。

他の人がやりたがない施策で言えばアフィリエイトです。成果承認・未承認かを確認をするのは面倒なのでやりたがる方は少ないですが、施策の打ち方次第で売上が化けるカテゴリーもあります。

売上責任を持つ

自社ECや楽天など、チャネル単位で売上責任を持って運用できるようになりたいですね。もし、全体の売上責任まで持たせてもらえない場合は自分の担当する施策単体での売上責任を持ちます。何からやればいいかわからない場合は、ひたすら日毎の売り上げを上司に報告することから始めましょう。

BIツールで売上が出力されている会社であれば、日割りで売上が計画に対して勝ったか、負けたかを確認し、理由を考えてみてください。毎日見てれば、何かヒントが出てくるはずです。注意点は、環境要因は無視すること。環境要因は考えても無駄なので、自分たちが対策できる課題だけに注目してみてくだしい。

後輩・アルバイトに教える立場になる

誰かに仕事を教えた経験は、面接でマネジメント経験として語れます。「チームを持ったことがない」と言う人でも、「後輩のOJTを担当して、3ヶ月で一人前にした」という経験があれば十分です。

小さくても「誰かを育てた」という実績を作っておくことが、マネージャーポジションへの転職を現実的にします。

マニュアルを作成する、標準化する、といったワードはマネージャーが好きな言葉です。EC担当者の多くは、その場その場での対応を求められることが多く、マニュアル化できていない企業は多いです。求人理由は、前任者がいなくなったか、事業の拡大なので、どちらの場合もきちんとしたマニュアルは無いと思います。

そのため、ぜひ部内・チーム内のマニュアルを作る、ということをやってみてください。

バックエンドに首を突っ込む

物流・在庫・システムの現場に意識的に関わる。「自分の仕事じゃないから」と線を引かない。担当外の業務に首を突っ込む姿勢が、事業全体を見る視点を育てます。

出荷作業の手伝いに行く。
棚卸作業を一緒にやる。

といったことから一緒に行うと良いですよ。


転職でマネージャーポジションを取りに行く

現職でマネージャーへの道が見えない場合、転職でポジションを上げる方法が現実的です。

EC転職市場では、担当者が余っていてマネージャー・責任者が足りていない。この構造があります。だから「担当者としては経験があるけどマネージャーはやったことない」という人でも、転職でマネージャーポジションを取れるケースがあります。

特に以下の経験がある場合は、マネージャー・責任者ポジションを狙いやすいです。

自社EC立ち上げ・改修の経験:上流から関わった経験は、事業全体を見る視点の証明になります。

複数モールの同時運営経験:楽天・Amazon・Yahoo!を同時に回した経験は、「優先順位の判断ができる人材」として評価されます。

DtoC立ち上げの経験:ゼロから作った経験は、圧倒的な差別化になります。

オンオフ両方の経験:店舗+ECの経験者は希少です。ぼくは採用のとき、この経験があるとめっちゃ嬉しいです。

バックエンドまでの理解:商品登録・在庫・物流まで分かる人材は、EC責任者として即戦力と見られます。


「担当者→マネージャー」の転職で気をつけること

事業フェーズを確認する

「マネージャー募集」でも、新規立ち上げフェーズと安定運用フェーズでは仕事の中身が全然違います。

新規立ち上げは、スピードが速くて業務範囲が広い。ぼくが2社目でDtoC事業に転職したとき、想定外の大変さはここでした。EC担当として転職したのに、カフェの運営まで任された。デベロッパーさんへのリーシング、店舗デザインの取りまとめ、スタッフ採用。それ自体は良い経験でしたが、事前に把握していればもう少し心の準備ができたと思います。

マネージャーポジションを名乗るだけの会社に注意する

「EC事業責任者」という肩書きで採用しているけど、実態は一人でEC全部やる担当者、というケースがあります。チームを持てるかどうか、予算の裁量があるかどうかを面接で確認することが重要です。


マネージャーになった後の年収レンジ

実感として、EC事業責任者・マネージャークラスの年収は600〜800万円前後が多い。大手メーカー・急成長のDtoCブランドでは800万円を超えるケースもあります。

担当者レベルの年収の天井は600万円前後です。役職を取らないとここを超えるのは難しい。転職でポジションを上げることが、年収アップの最短ルートになります。

ぼくの場合、転職でポジションと年収を同時に上げました。100万円以上のアップでした。「マネージャーとして採用してもらう」という前提で転職活動をしたことが、大きかったと思っています。


まとめると

担当者からマネージャーへの道は、スキルを積み上げることじゃなくて、視点を切り替えることです。

「自分がやる」から「人を通じて動かす」。「施策の実行」から「戦略の設計」。「担当領域」から「事業全体」。

この3つのシフトができているかどうか。面接官はそこを見ています。

どのエージェントに相談すればキャリアアップ転職が現実的になるか、ここに整理してあります。

→ EC・DtoC担当者の転職でおすすめのエージェント比較|10年現場で見た選び方


この記事を書いた人

EC転職野郎

EC転職野郎プロフィール画像

EC・DtoC歴10年以上。アパレル・消費財メーカーで、自社ECの立ち上げ・改修から楽天・Amazon・Yahoo!などモール多店舗運営、新規DtoCブランドの立ち上げまで現場で担当。1社目はアパレルメーカー。店舗スタッフから店長・エリアマネージャー・MDを経て通販事業部シニアマネージャー。その後、2社目では消費財メーカー(食品)でDtoC新規事業のブランドリーダーとしてO2O施策を牽引。自社EC、Amazon、楽天、アスクルなどをマネージャーとして運用管理。3社目では再びアパレル企業に。EC・広報を含むデジタル周辺の事業をマネージャーとして担当。

自分の転職だけではなく、採用を自ら行なっていた経験も含め書きます。

社名は伏せていますが、現場で詰まったことや判断の中身は、できるだけリアルに書きます。

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