転職活動は情報戦です。正しいやり方を知っているかどうかで、結果が大きく変わります。
EC・DtoC担当者として10社以上の面接を経験した立場から、やってはいけない失敗パターンと、その対策を解説します。
①在籍年数だけを武器にしようとする
EC担当者の転職でよくある失敗のひとつが「○年やってきました」という在籍年数のアピールです。
転職市場では「何年やったか」より「何をどのくらいの規模でやったか」が評価されます。10年EC業務をやっていても、フロント施策だけで数字も実績も語れない場合、評価は低くなります。
ディレクションや管理しかやってないと、能力がわかりにくく、採用に結びつきにくいです。私の場合は1社目のときから広告はディレクションしかしておらず、自分で運用したことはなかったので、そこは突っ込まれると弱かったです。
制作面でも、面接内で差がつきやすいです。イラストレーター、フォトショップ、プレミアといったadobeツールが使えるか、使えないかで、自分でバナーを作れるか、作れないか判断されます。
よほど大きな企業の場合は、役割ごとで業務は分かれますが、そうでない企業の方が多いです。少なくとも、私が採用する際は必ず使用ツールはチェックします。
対策:経験を時系列ではなく「実績」で語る準備をする。「○年間EC担当をしていました」ではなく「自社EC改修で○○を実現した」「DtoC立ち上げでF0→F1転換率○%を達成した」という形に変換する。
②希望年収を低く提示する
「御社の規定に従います」「前職と同程度で構いません」という答えは損をするケースが多いです。
EC担当者の市場価値は、自分が思っているより高いケースがあります。特にオンオフ両方の経験がある・バックエンドまで把握している・DtoC立ち上げ経験がある場合は、現職より高い年収を提示されることがあります。
低い年収を先に提示してしまうと、後から交渉しにくくなります。
私の場合は、自分の実際の年収+100万円を最初、希望年収として記載していました。エージェントからは、「EC転職野郎さん、さすがに+100万円は難しいかも。一般的には+50万円くらいですよ」と言われていました。エージェントが言うからには事実なのだろうと思いますが、結果的には100万円プラスした年収で決まりました。
私が採用する側の際、欲しい人材であれば、50万円と100万円の違いは小さいです。採用活動は採用担当者が非常に疲弊するので、この人を逃すと、また1次面接からだ・・・と思ってしまうんですよね。
対策:本格的に転職活動を始める前にビズリーチやリクルートエージェントで募集年収の目安を確認して、希望年収を提示できる状態にする。
③1社のエージェントだけに頼る
1社のエージェントだけに相談すると、そのエージェントが保有する求人の範囲でしか動けません。
エージェントによって得意領域・保有求人・担当者の質が全く違います。ハイクラス系(ビズリーチ・JAC)と総合大手(doda・マイナビ)を並行して使うことで、より多くの選択肢から最適な求人を探せます。
私の個人的なおすすめです。こちらの3つを主に使ってました。
- リクルートエージェント:情報収集目的
- ビズリーチ:情報収集目的。ここ経由で、いろんな転職サイトに登録することになる。
- JAC:本格的な活動
対策:最低2〜3社のエージェントに同時登録して、提案される求人・年収レンジを比較する。
④EC未経験の部分を隠す
アパレルからEC転職する場合、「EC業務の経験が少ない」ことを隠そうとするケースがあります。
面接官はプロです。職務経歴書や面接の受け答えで分かります。隠そうとすると不誠実な印象を与え、逆効果になります。
むしろ「EC業務は入社後に習得します。その代わりに店舗でのマネジメント経験・エンドユーザー理解という強みがあります」と正直に話す方が評価されます。
私の場合、マネージャー採用の場合は、EC経験は必須ですが、プレイヤーの場合は必須ではないです。社内OJTで教育するつもりで採用しているので、EC経験がない場合は店頭での接客経験の際に何を工夫したか、やどんな施策を店舗で実施したかを聞きます。
対策:未経験の部分は正直に認めた上で、「でも○○の強みがある」「入社後に○○で習得する意欲がある」とセットで話す。
⑤転職理由をネガティブに話す
「今の会社が嫌だから」「上司と合わないから」という転職理由は、面接では避けるべきです。これは私が転職する時に、友人の転職経験者や人事部経験のある方から言われました。エージェントからも、言われました。
ネガティブな理由は「次の会社でも同じ問題が起きるのでは」という印象を与えます。採用企業が見たいのは「この人がなぜうちに来たいのか」という前向きな動機です。
私は、ECでこんな経験をして、楽しさに目覚めた。さらに興味のある業界でやってみたいと思った。みたいなかんじで、前向きにスキルアップしたい雰囲気を出します。
対策:「○○を実現したいから転職する」という前向きな言語に変換する。「DtoC事業の立ち上げから関わりたい」「より経営に近いポジションで裁量を持ちたい」という形で語る。
⑥面接で「何でもします」と言う
「どんな仕事でもやります」「会社の指示に従います」という答えはあまり評価されません。
採用企業が欲しいのは「自分の強みを活かして、うちの課題を解決してくれる人材」です。何でもやりますという姿勢は、逆に「自分の強みが何か分かっていない人」という印象を与えます。
面接する企業について、ホームページを確認し、AIで壁打ちしてみてください。弱みや課題が出てくると思います。そこに自分の経験を活かすことで、対策できます、という提案を作ると良いと思います。
私は、面接時、自社ECをその場で見てもらい、「どう改善したら良いと思いますか?」と聞きます。運用側としては、ある程度はやり切っていて、できてないことは理由があってできないことは一旦置いておき、フラットな意見を聞きたいからです。
1個も出てこないと、経験がないな、入社後も自分で課題発見して動いてくれないかもな、と考えます。2〜3個出てくると、考え方を聞かせてもらいます。こういった場合は、遠慮なく、自分の考えを、経験と紐づけて論理的に説明してくれると採用に繋がりやすいです。
対策:「課題は◯◯だと思います。私の経験上から、◯◯することで課題を解決できると思います」という形で、具体的な貢献イメージを語る。
⑦内定が出た会社にすぐ返答する
内定が出ると、早く返答しなければという焦りが生まれます。しかし複数社の選考を並行している場合、一社の内定だけで即決するのは危険です。
内定には通常1〜2週間の検討期間があります。他社の選考が進んでいる場合は「検討期間をいただけますか」とエージェント経由で伝えることができます。
対策:複数社の選考を並行して進める。内定が出たら、他社の選考状況を確認した上で比較して決断する。
⑧転職活動を急ぎすぎる・のんびりしすぎる
転職活動のペース配分も重要です。
急ぎすぎ:準備不足のまま応募・面接を進めると、自分の強みを語れないまま選考が進んで落ち続けます。最初の1〜2社で落ちると自信を失いやすいため、準備を整えてから始めることが重要です。
のんびりしすぎ:転職活動を始めてから内定まで3〜6ヶ月かかることが多いため、「いつか転職しよう」と思いながら動かないと、気づいたら1〜2年経っていることがあります。
対策:まず職務経歴書とエージェント登録だけ先に進める。完全な準備ができてから動こうとすると、いつまでも動けなくなります。
まとめ:EC転職で成功するための基本姿勢
転職活動で最も重要なのは「自分の強みを正確に把握して、それを必要としている企業に届けること」です。
EC担当者として蓄積してきた経験——自社EC改修・多店舗運営・DtoC立ち上げ・バックエンド理解・店舗マネジメント——は、転職市場で求められているスキルです。それを過小評価せず、具体的な言葉と数字で語れる状態にすることが、転職活動の第一歩です。
EC転職でおすすめのエージェントはこちらで解説しています。
→ EC・DtoC担当者の転職でおすすめのエージェント比較|10年現場で見た選び方
この記事を書いた人
EC転職野郎
EC・DtoC歴10年以上。アパレル・消費財メーカーで、自社ECの立ち上げ・改修から楽天・Amazon・Yahoo!などモール多店舗運営、新規DtoCブランドの立ち上げまで現場で担当。店長・エリアマネージャーを経て通販事業部シニアマネージャー、その後消費財メーカーでDtoC新規事業のチームリーダー・ECプロモーションチーム担当課長。
社名は伏せていますが、現場で詰まったことや判断の中身は、できるだけリアルに書きます。


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