EC担当者がSNS運用まで兼任するケースは、ぼくが見てきた現場だとむしろ多数派だった。専任のSNS担当がいる会社のほうが実は少なく、EC運営の一環として、Instagramやその他SNSの運用まで任されることが一般的になっている。
この記事では、実際の投稿設計の考え方、1週間の業務の流れ、未経験からのロードマップ、そしてやりがちな失敗まで、できるだけ具体的にまとめる。
EC文脈のSNS運用は何が違うのか
個人のSNS発信と違い、EC担当者としてのSNS運用は「フォロワーを増やすこと」自体がゴールではない。最終的にECサイトへの流入や購入につながっているかを見る必要がある。投稿のいいね数だけを追っていると、上司や経営層に「それが売上にどうつながっているのか」と聞かれたときに答えられなくなる。
実務では、投稿を目的別にいくつかの型に分けて運用することが多い。たとえば、商品の使い方を伝える投稿、ブランドの世界観を伝える投稿、ランキングやまとめ系の投稿、セールやキャンペーンの告知投稿、フォロワーとの接点を作るモーメント投稿など、狙いが違う投稿を組み合わせてバランスを取る。すべてを同じテンションで発信すると、フォロワーが本当に見たい情報とズレてしまう。
1週間の業務の流れ(イメージ)
| タイミング | やること |
|---|---|
| 週の頭 | その週に出す投稿の型(ノウハウ系・まとめ系・告知系など)を決め、簡単な構成案を作る |
| 撮影・制作 | 商品撮影やキャプション作成、必要に応じて簡単な動画編集 |
| 投稿 | 決めたスケジュール通りに投稿し、反応(保存数・シェア数・プロフィールへの遷移数など)を確認 |
| 週末 | その週の投稿ごとの反応を振り返り、翌週の型のバランスを調整 |
| 月次 | ECサイトへの流入経路の中でSNS経由がどれくらいあるかをまとめて報告 |
未経験から任されるまでのロードマップ
| 段階 | やっておくこと |
|---|---|
| 準備期 | 同業種・近い業種の企業アカウントを普段から観察し、投稿の型や頻度をメモする習慣をつける |
| 準備期 | 自分自身のアカウントで、小さくてもいいので継続的な投稿と数字の振り返りを経験しておく |
| 初期 | 既存アカウントの投稿案作成やキャプション作成など、決まったフォーマットの中で任される |
| 中期 | 投稿の型のバランスや、キャンペーン企画の提案など、自分で構成を考える範囲が広がる |
| 後期 | アンバサダー施策やUGC活用など、中長期の企画設計まで任されるようになる |
面接では「フォロワー数」より「なぜその投稿をしたのか」「数字を見て何を変えたか」を語れるかどうかが見られている。未経験でも、自分のアカウントや趣味の発信で構わないので、振り返りの経験があると強い。
未経験がやりがちな失敗
- いいね数やフォロワー数の増減だけを見て一喜一憂し、ECサイトへの流入や購入という本来の目的を見失う
- バズを狙った投稿ばかりに偏り、ブランドの世界観や商品情報を伝える地道な投稿が手薄になる
- 投稿の頻度を優先しすぎて、1本ごとの狙いが曖昧なまま量産してしまう
向いている人・大変なところ
コンテンツを考えるのが好きな人には向いているが、SNSは反応がすぐに見える分、数字が伸びないと落ち込みやすい仕事でもある。バズを狙いにいくより、地道に型を積み重ねて数字を見る姿勢のほうが、EC文脈のSNS運用では長続きしやすい。
よくある質問
- QSNS運用の経験がなくても、EC担当者としてSNSを任せてもらえますか?
- Aはい、多くの現場で未経験から任されています。むしろ専任担当がいない会社のほうが多いので、EC運営の一部として少しずつ範囲が広がっていくケースが一般的です。
- Q写真や動画の撮影スキルは必須ですか?
- A必須ではありませんが、基本的なスマートフォン撮影や簡単な編集ができると業務の幅は広がります。専門的な撮影は外部に発注する会社も多いです。
- Q面接でポートフォリオとして見せられるものがない場合はどうすればいいですか?
- A個人アカウントでの発信経験がなくても、興味のあるブランドのアカウントを分析し「なぜこの投稿が伸びているのか」を自分の言葉で説明できるようにしておくだけでも、選考でのアピール材料になります。
SNS経由の流入を最終的に売上につなげるには、広告運用やデータ分析の知識も役立つ。あわせてこちらも読んでおくといい。
ECマーケティング全体の分野整理はこちら。
→ ECマーケティング担当とは?仕事内容と未経験からの転職ルートを整理
転職活動の進め方やエージェントの使い分けはこちらも参考にしてほしい。
→ EC・DtoC担当者の転職でおすすめのエージェント比較|10年現場で見た選び方
この記事を書いた人
EC転職野郎

EC・DtoC歴10年以上。アパレル・消費財メーカーで、自社ECの立ち上げ・改修から楽天・Amazon・Yahoo!などモール多店舗運営、新規DtoCブランドの立ち上げまで現場で担当。1社目はアパレルメーカー。店舗スタッフから店長・エリアマネージャー・MDを経て通販事業部シニアマネージャー。その後、2社目では消費財メーカー(食品)でDtoC新規事業のブランドリーダーとしてO2O施策を牽引。自社EC、Amazon、楽天、アスクルなどをマネージャーとして運用管理。3社目では再びアパレル企業に。EC・広報を含むデジタル周辺の事業をマネージャーとして担当。
自分の転職だけではなく、採用を自ら行なっていた経験も含め書きます。
社名は伏せていますが、現場で詰まったことや判断の中身は、できるだけリアルに書きます。
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