自社ECのSEO・CVR改善は、広告のように即効性はないが、長期的に見ると一番コストパフォーマンスの良い集客手段になり得る分野だと思っている。広告費をかけ続けなくても、検索から安定して人が来る状態を作れるかどうかが問われる仕事だ。
この記事では、実務の具体的な中身、1ヶ月の業務の流れ、未経験からのロードマップ、そしてつまずきやすいポイントまで書く。
ECサイトのSEOは一般的なSEOと何が違うか
一般的なブログのSEOと違い、ECサイトのSEOは「検索順位を上げること」だけがゴールではない。商品ページやカテゴリページの検索流入を増やしつつ、実際にそのページで購入されるかどうか、つまりCVR(購入率)まで含めて見る必要がある。順位が上がっても、ページの情報が不十分で購入につながらなければ意味がない。
実務では、商品ページのタイトルや説明文の見直し、カテゴリページの構造整理、サイト内の導線改善、レビューや在庫状況の表示改善などを地道に積み重ねる。ぼくが自社EC改修に関わったときも、派手な機能追加より先に、商品ページの基本的な情報量と見やすさを整えるところから着手した。
1ヶ月の業務の流れ(イメージ)
| タイミング | やること |
|---|---|
| 月初 | サーチコンソールで前月の検索流入・順位の変化を確認 |
| 企画 | 順位が伸び悩んでいる商品ページ・カテゴリページをリストアップ |
| 実行 | タイトル・説明文の見直し、画像の代替テキスト追加、内部リンクの追加 |
| 検証 | 改修後のページのCVR・離脱率の変化を確認 |
| 月末 | 改善したページと効果をまとめ、次月の対象ページを決める |
未経験から任されるまでのロードマップ
| 段階 | やっておくこと |
|---|---|
| 準備期 | 検索結果に表示されているECサイトの商品ページを見て、「なぜこの書き方をしているのか」を考える習慣をつける |
| 準備期 | Googleサーチコンソールなど基本的な分析ツールの画面に一度触れておく |
| 初期 | 既存ページのタイトル・説明文の見直しなど、決まった範囲の改修を任される |
| 中期 | カテゴリページの構造や内部リンクの設計提案など、範囲が広がる |
| 後期 | サイト全体のSEO方針や、大規模なページ構成の見直しを任されるようになる |
面接では、専門用語を知っているかより、「なぜこのページはこう作られているのか」を自分なりに考える視点があるかどうかを見られることが多い。
未経験がやりがちな失敗
- 検索順位を上げること自体が目的になり、実際の購入率(CVR)への影響を見落とす
- 1度の改修ですぐに順位が上がると期待し、効果が出るまでの数ヶ月単位の時間軸を見誤る
- テクニカルな部分ばかりに気を取られ、商品ページの内容そのもの(写真・説明文の分かりやすさ)の改善が後回しになる
向いている人・大変なところ
結果が出るまでに数ヶ月単位で時間がかかることが多いので、短期的な成果を求められる環境だと評価されにくいのがつらいところ。逆に、地道な改善を積み重ねることが好きな人には向いている分野だと思う。
よくある質問
- QSEOの知識がまったくなくても未経験で応募できますか?
- A
応募できます。専門知識より、検索結果や商品ページを日頃から観察して考える習慣があるかどうかが評価されやすいです。
- QSEOとCVR改善、どちらを優先すべきですか?
- A
どちらか一方ではなく、両方をセットで見る必要があります。順位が上がっても購入されなければ意味がなく、CVRが良くても流入が少なければ売上は伸びません。
- Q結果が出るまでどのくらいかかりますか?
- A
ページの規模や競合状況にもよりますが、数ヶ月単位で見るのが一般的です。短期間で劇的な変化を期待する仕事ではありません。
改善の効果測定には、データ分析の視点も欠かせない。あわせてこちらも読んでおくといい。
→ EC担当者に必要なデータ分析スキル|Excel・GA4の使い方
ECマーケティング全体の分野整理はこちら。
→ ECマーケティング担当とは?仕事内容と未経験からの転職ルートを整理
転職活動の進め方やエージェントの使い分けはこちらも参考にしてほしい。
→ EC・DtoC担当者の転職でおすすめのエージェント比較|10年現場で見た選び方
この記事を書いた人
EC転職野郎

EC・DtoC歴10年以上。アパレル・消費財メーカーで、自社ECの立ち上げ・改修から楽天・Amazon・Yahoo!などモール多店舗運営、新規DtoCブランドの立ち上げまで現場で担当。1社目はアパレルメーカー。店舗スタッフから店長・エリアマネージャー・MDを経て通販事業部シニアマネージャー。その後、2社目では消費財メーカー(食品)でDtoC新規事業のブランドリーダーとしてO2O施策を牽引。自社EC、Amazon、楽天、アスクルなどをマネージャーとして運用管理。3社目では再びアパレル企業に。EC・広報を含むデジタル周辺の事業をマネージャーとして担当。
自分の転職だけではなく、採用を自ら行なっていた経験も含め書きます。
社名は伏せていますが、現場で詰まったことや判断の中身は、できるだけリアルに書きます。
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