EC・DtoCのCRM担当とは|メルマガ・LINE運用の実務

EC・DtoCのCRM担当とは ECマーケティング
EC・DtoCのCRM担当とは

CRMは、ECマーケティングの中で一番地味に見えて、実は経営的にかなり重要なポジションだと思っている。新規顧客の獲得に比べて目立たないが、一度買ってくれたお客さんにもう一度買ってもらうための施策を担当する仕事だ。

この記事では、実際の業務の中身、1ヶ月の流れ、未経験からのロードマップ、そしてつまずきやすいポイントまで書く。


CRM担当の具体的な業務

メルマガやLINE公式アカウントを使った配信施策が中心になる。ただ闇雲に一斉配信するのではなく、購入履歴や会員ランクによって配信内容を出し分ける「セグメント配信」の設計が実務の核になる。ぼくがDtoCブランドのCRM施策に関わったときも、初回購入者向けと、リピーター向けでまったく違う内容の配信を組んでいた。初回購入者には使い方の案内やブランドの背景を伝え、リピーターには新商品情報や会員限定オファーを届ける、という具合だ。

もう一つ大事な視点が、モール依存を下げるという役割だ。楽天やAmazonでの販売はモールのルール変更に業績が左右されやすいが、自社の顧客リストを育ててCRMで直接コミュニケーションを取れる状態を作っておくと、モールの変化に左右されにくい事業基盤になる。CRM担当は、この「自社の資産を育てる」役割を担っている。


1ヶ月の業務の流れ(イメージ)

タイミングやること
月初前月の配信結果(開封率・クリック率・配信経由の売上)を振り返る
企画今月の配信テーマとセグメントを決める(新商品案内・休眠顧客への再アプローチなど)
制作配信文面の作成、セグメントごとの出し分け設定
配信配信後、開封率・クリック率をリアルタイムで確認し、必要なら翌週の配信内容を調整
月末会員ランク別の購入継続率などをまとめて、次月の施策に反映

未経験から任されるまでのロードマップ

段階やっておくこと
準備期既存の会員データを購入回数別に自分なりに分類してみて、それぞれにどんな配信が刺さりそうか仮説を立てる練習をする
準備期身近なサービスから届くメルマガを観察し、「これは誰向けの配信か」を考える習慣をつける
初期既存の配信文面の作成やセグメント設定など、決まったフォーマットの中で任される
中期配信テーマの企画や、セグメント設計そのものを提案する範囲が広がる
後期会員ランク制度の設計や、休眠顧客の掘り起こし施策など、中長期の戦略設計まで任されるようになる

面接では、配信ツールの操作経験よりも「顧客をどう区分けして、それぞれに何を届けるべきか考えたことがあるか」を聞かれることが多い。


未経験がやりがちな失敗

  • 全会員に同じ内容を一斉配信し、配信頻度だけを増やして開封率を下げてしまう
  • セール告知など売り込み色の強い配信ばかりになり、読者が受け取る情報の価値を感じられなくなる
  • 開封率やクリック率だけを追い、実際の購入・売上への貢献を確認しないまま施策を続けてしまう

向いている人・大変なところ

地道な分析とコツコツした配信設計を苦にしない人には向いている。効果が出るまでに時間がかかる施策が多いので、短期的な派手さを求める人には物足りなく感じるかもしれない。ただ、事業への貢献度は数字で見えやすい分野なので、成果を出したときの評価にはつながりやすい。


よくある質問

Q
CRMツールの操作経験がなくても転職できますか?
A
できます。ツールの操作は入社後に覚えられる部分が多く、選考では顧客をどう区分けして考えるかという視点のほうが重視されます。
Q
CRMとメルマガ運用は同じ仕事ですか?
A
メルマガ運用はCRM施策の一部です。CRMはメルマガ・LINE・会員ランク設計など、顧客との関係構築全体を指すより広い概念です。
Q
CRM担当は将来的にどんなキャリアにつながりますか?
A
顧客データの扱いに強くなるため、事業全体のマーケティング戦略や、DtoCブランドの立ち上げポジションへのキャリアパスにつながりやすい分野です。

顧客データを見る上で、データ分析の基礎知識も役に立つ。あわせてこちらも読んでおくといい。

EC担当者に必要なデータ分析スキル|Excel・GA4の使い方

ECマーケティング全体の分野整理はこちら。

ECマーケティング担当とは?仕事内容と未経験からの転職ルートを整理


転職活動の進め方やエージェントの使い分けはこちらも参考にしてほしい。

EC・DtoC担当者の転職でおすすめのエージェント比較|10年現場で見た選び方



この記事を書いた人

EC転職野郎

EC転職野郎プロフィール画像

EC・DtoC歴10年以上。アパレル・消費財メーカーで、自社ECの立ち上げ・改修から楽天・Amazon・Yahoo!などモール多店舗運営、新規DtoCブランドの立ち上げまで現場で担当。1社目はアパレルメーカー。店舗スタッフから店長・エリアマネージャー・MDを経て通販事業部シニアマネージャー。その後、2社目では消費財メーカー(食品)でDtoC新規事業のブランドリーダーとしてO2O施策を牽引。自社EC、Amazon、楽天、アスクルなどをマネージャーとして運用管理。3社目では再びアパレル企業に。EC・広報を含むデジタル周辺の事業をマネージャーとして担当。

自分の転職だけではなく、採用を自ら行なっていた経験も含め書きます。

社名は伏せていますが、現場で詰まったことや判断の中身は、できるだけリアルに書きます。

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